プロジェクトX ~挑戦者たち~

先日大分県商工会議所連合会議員大会がレンブラントホテル大分で開催され参加して来ました。毎年記念講演会を楽しみにしていますが今年は、佐伯市出身の元NHKエグゼクティブプロデューサーで、小説家・番組プロデューサーの今井彰氏がテーマ「プロジェクトX」〜挑戦者たち〜について熱く語って下さいました。


あの中島みゆきの「地上の星」がテーマソングで有名なドキュメンタリー番組ですが、2000年3月から2005年12月のほぼ6年間で196本の放映、大ヒット番組となったが、始まりは決して容易なことではなかった。スタッフで明治神宮を参拝し番組の成功を祈願し取りかかったものの、1本の番組を制作するのに1ヶ月半くらい有にかかる。
企画から裏付けの為に全国各地を駆け回る毎日…。

チーム「プロジェクトX」は側からは、「ダイエットX」と罵られ氏を含めて7人のメンバーは見る見るうちに痩せ細って別人に見えるほどハードだった。
そもそも視聴率が一番のテレビ業界でスターを起用せずに無名の人物にスポットライトを当てる事が無謀に近いと…。

敗戦後のどん底の日本で、昭和33年完成の東京の象徴「東京タワー」完成のエピソード。設計にあたった内藤多仲氏の世界一へのこだわりとそれを実現する命知らずの男たち。クレーンもコンピューターもない時代に命綱も付けずに地上100m〜300mの空中で曲芸の様に巧みに溶接をしながら上へ上へと伸ばして、終に完成させた333m。「世界1」へのこだわり、それは「日本人としての誇りの復活」を意味した。

また2回目の放送では日本ビクターの1部門長、高野鎮雄氏率いる窓ぎわ開発チームが作り出した「VHS」と天下のSONYの開発した「ベータ」との闘いで、逆境の中弱者が強者を制し日本初・世界規格の誕生劇。従来のNHKは固有名詞を出さないと言うスタンスを覆し実名で企業・人物を報道した。結果放送終了後全国のお客様から電話が殺到!意外にも「がんばれ!」「がんばれ!」の励ましの言葉だった。

他にも極寒の地で20年間に及ぶ「青函トンネル貫通工事」、171名の尊き犠牲者のもと完成した「黒四ダム断崖絶壁の難工事」など決して中央ではなく全国各地で本当の戦後の「ニッポン」を支えてきた人々、いかなる逆境をも愛と情熱で打ち砕く、共に戦った仲間たちのドラマは感動を生み出し、結果菊池寛賞、橋田壽賀子賞、ATP特別賞などその他数多くの賞を総舐めした。

今井氏自身NHKプロデューサー時代のどん底の時、幾度かもう仕事を辞めて田舎に帰ろうかと…そんな時に中島みゆきの唄に勇気付けられて来たとそんな思いを綴って番組の趣旨・想いをラブレターで送り続け思いが叶って番組のために書き下ろし、あの「地上の星」が誕生したと言う嘘のような本当のお話!
2002年の第53回NHK紅白歌合戦には、中島みゆきが初出場し、黒部ダムの内部から生中継で番組オープニングのテーマ「地上の星」を歌い上げる光景は、記憶に残っている方も多いのでは?

地上の星

作詞 作曲 中島みゆき

風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく
草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく
地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる
つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう
崖の上のジュピター 水底のシリウス みんな何処へ行った
見守られることもなく名立たるもの追って輝くものを追って 人は氷ばかり掴む
つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう

P.S

今井氏は2010年より小説家として執筆活動開始 作品に ガラスの巨塔(幻冬舎) 赤い追跡者(新潮社) ゆれるあなたに贈る言葉(小学館) 2018年 光の人(文藝春秋)など。現在も意欲的に活動中です。今後もご健闘を祈ります。