社長のコラム 大事にしたい「竹田市城下町に漂う空気感」
第70回 岡城桜まつり
去る4月1日、第70回 岡城桜まつりが行なわれ、晴天の桜吹雪の中、先払いの「下に~下に~」の掛け声で岡城址から竹田温泉花水月まで約3.5キロの城下町界隈を約100名の大名行列と甲冑武者行列約70名が勇壮に練り歩きました。
正に花良し、天気良し、祭り良し
中でも人集りの本町通りでは奴頭の「ヒサヨー 」「コリャサー」 の掛け声で奴さんの毛槍の投げ渡しには多くの観光客 から拍手と歓声があがり、さすが44年間続く竹田商工会議所青年部 主催の大名行列 !史実に基づいた「歴史絵巻」が繰り広げられました。
ここ数年甲冑武者行列やTAOの和太鼓の演奏にお株を奪われ気味でしたが、最近の言葉でコラボレーションとでも言うのでしょうか?あらゆる団体が協力しあって「正に花良し、天気良し、祭り良し」の竹田の春のワンシーンでした。関係者の方々、大変お疲れ様でした。
竹田市城下町に漂う空気感
話変わって6年前の5月 スペイン旅行に友人と出かけたのですが、一番の目的がバルセロナ出身のあの大建築家 鬼才アントニ・ガウディ(1852―1926)の建造物を直にみる事でした。バルセロナの象徴 サグラダファミリア聖堂・カサミラ・グエル公園などなどユネスコ遺産の作品群。日本で生まれ育った私にはどうしたらあのような作品が作れるのか?不思議でなりませんでした…そしてその答えは見つかりました。カタルーニャ地方の中心都市バルセロナに流れる空気・風土(自然にあるもの)と歴史との融合の産物がモチーフとなって彼の作品を生んだのです。
また、バルセロナは他にパブロ・ピカソが(1896-1904)の8年間多感な青春時代を過ごした場所で、またジョアン・ミロや現代美術の巨
匠アントニ・タピエスと色んな作家を生み出した土壌です。
おそらく画聖 田能村竹田先生も、楽聖 瀧廉太郎先生も、あの軍神広瀬武夫中佐も感じた竹田に流れる空気 原風景、樹々は枯れ朽ち生まれ再生を繰り返しながらも空気感を保っていたのです。私たちは、変えていいもの、変えてはいけないもの、を精査しながらこの町の原風景(空気)を守っていかねばならないのです。そして他所から来た人たちへとまた次の世代へと繋いでいきましょう。
変わる竹田の町
今、竹田の町が変わりつつあります。来月には、総合文化ホール「グランツ竹田」が完成します。また城下町交流拠点施設として旧竹田市歴史資料館と水琴館の後に「歴史文化交流センター」(田能村竹田 南画美術館)、マルショクの隣に「竹田市城下町交流プラザ」が計画中。ただ旧竹田荘への取り付け手段としてエレベーターと言う選択が物議を醸し出していますが、先日4月14日行われた市民説明会は雨天に関わらず100名を超え2時間半に及び関心度の高 さを実感しました。(どちらの施設も設計監修は、あの2020東京オリンピック競技場設計の隈研吾建築都市設計事務所ですよ)
知人が行政や市民の声を聞き過ぎて両方とも『普通の建物』になってしまって残念だと言ってました(笑)